南部杜氏

2008年3月 7日 (金)

杜氏の現状について 三州は山の中!

杜氏の現状について 三州は山の中!

最後は、季節雇用の杜氏です。

一般的なイメージは、酒造りの時期になるとやってくる、杜氏が引き連れてくる技術者集団、そんなところだと思います。

伝統に裏づけされた確かな技術。酒造りの奥義を極めた熟練の技が醸し出す酒は、まさに極上の一滴・・・、って幻想じゃないでしょうか?

こう言ってしまうと身も蓋もないのですが、一歩間違えれば単なる出稼ぎ集団です。

本業は農家。酒造りは農閑期になるとやってくる割のいい副業。普段は誰にも相手をされなくても、酒造りになると酒飲み連中から尊敬の眼差しで見てもらえます。

酒造りの知識は時代遅れのものが多く、思い込みと怠惰の結晶が経験という名のオブラートに包まれ、市場の変化に対応できない技術となっています。

加えて、年間を通して酒質の変化を確かめることが少ないので、酒造りへのフィードバックがありません。

また、杜氏は休みもなく夜中まで作業して大変だと言われています。しかし、半年近くも休みもなく夜中まで作業して体が持つわけがありません。疲れないように休憩をたくさん取っているのでできる事なのです。

わけがわからないのが、持っている技術を教えようとしないことです。なんだかコソコソやっているんですよね。醪へパッパッと何か振りかけていたりと・・・。「技は盗んで覚えろ」の世界が生きており、一見、かっこいい感じもしますが、要は、技術を覚えられたら即失職という憂き目に遭うのを避けるための自己保身なのではないでしょうか。

蔵人として働いた経験からすると、季節雇用の杜氏は作業的に楽をしたがるので、働くほうとしては楽にできました。ただ、酒質向上への欲求は満たされることはありませんでした。

季節雇用の杜氏の悪口みたくなってしまいましたが、私が感銘を受けた酒は、オーナー杜氏の酒でもなく、サラリーマン杜氏の酒でもない、かつての季節雇用の杜氏が造った酒だったことも確かです。

義侠の佐藤勝郎杜氏、倭小槌の浅沼弘三杜氏、羽陽男山の佐々木四郎杜氏、栄光冨士の熊谷喜一郎杜氏、志太泉の高橋貞實杜氏、萩の鶴の葛巻文夫杜氏、これら南部杜氏の方々の大吟醸には凄みがありました

数多くいる杜氏の中には、まだまだ素晴らしい技術を持ち人格的に優れた人物もいらっしゃると思いますので、本日の話は参考まで。

2007年8月30日 (木)

酒屋は銭勘定より米完蒸

酒屋は銭勘定より米完蒸

以前に「外硬内軟」の言葉の発案者が、東京税務監督局出身の平岡満一氏であるとの私の見解を書いたことがありました

今日は平岡氏の金言の数々を紹介したいと思います。

まずは、本日の題である、「酒屋は銭勘定より米完蒸」。

きっちりまとめてきますね。完全なる蒸米を略して「米完蒸(こめかんじょう)」。平岡氏の酒造りは、この言葉が基調であると申しております。

「米完蒸」のための原料処理方法も標語にしてあります。

米はよく洗え白くなる

浸米は2割5分の目方を増すように

これは現在の基準からすると少ないように見えます。戦前の米質には向いていた吸水歩合なのかもしれません。

水吸う米は玉も吸う

「玉を吸う」とは、加水がきくということで、酒屋が儲かる酒ということです。

浸米濁れば酒濁る

水切は充分にせよ白低くとも

浸米、蒸気を見つつサラリと縦に置け

戦前には「竹鶴式米張器」という道具があり、均一に米を張るために用いられたようです。

蒸気漏るとき甑振動米詰る

完全なる蒸米は優良なる浸米のみより

先月、南部杜氏でも金賞受賞回数が多い杜氏さんとお話する機会があり、酒造りで一番重要なポイントをお伺いしたところ、「それは原料処理だ」と答えました。

純米酒が日本酒だった戦前。その時代は、「完全なる蒸米」のみが原料だったわけですから、原料処理には必死だったのでしょうね。

参考文献

 醸造論文集 第五輯2 日本醸友会(昭和13年)

 醸造論文集 第六輯2 日本醸友会(昭和18年)

2007年7月29日 (日)

南部杜氏夏季酒造講習会

南部杜氏夏季酒造講習会

ネタ探しの旅、行って参りました。

場所は岩手県。南部杜氏夏季酒造講習会です。

私の参加は、今回で6回目になります。

講習は、特科、研究科、杜氏科の3コースに分かれて行われます。

南部杜氏になるには、まず特科の試験をパスしなければなりません。

特科試験合格後、経験年数が経歴点となり、経歴点が一定数以上になると、杜氏試験の受験資格が得られることとなります。

杜氏試験は、講習会の前日に、学科試験、作文、きき酒、面接が行われ、合格者は講習中に発表となります。

今年の合格者は、県外会員が多いです。というよりも、講習会会場にいる若い人はほとんど県外会員で、受験する人も県外会員が多いのではないでしょうか。

会場は、石鳥谷会場と紫波会場に分かれており、人数は圧倒的に石鳥谷会場が多いです。

会員登録をしていれば、無料で受講できます。会員で無い人も、講習会費を支払うことで受講することができます。

いままで受講した経験で言えば、内容は毎年似たり寄ったりで、雰囲気もまったりしています。会社単位で花巻温泉あたりに泊まって、毎晩宴会みたいなところもあるようで、気持ち悪そうにしている人も多々見うけられます。ロビーでは、みんなタバコぶかぶか吸っているし・・・。

今日から講義から得たことなど書いていきたいと思います。

ここだけの話、講習会に出るよりも、このブログを読んでいたほうがためになるんじゃないかなと。

また、明日。

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